認知症と運動習慣
はじめに
認知症と聞いて「自分はまだ若いから関係ない」「認知症なんてなるわけがない」と思う方も少なからずいると思います。
認知症は現在の医学では完治は難しいとされています。そのため、予防することで発症リスクを下げることが、認知症対策として大切です。
今回は認知症予防に効果的とされている運動習慣について解説していきます。
認知症は若くてもなる⁈
認知症は、脳の神経細胞が障害されるために起こる記憶障害や見当識障害、言語障害、理解や判断力の障害、実行機能障害、歩行障害などの脳の認知機能障害の総称です。
また、64歳未満で認知症が発症してしまうこと「若年性認知症」といいます。
2009年に厚生労働省が調査した結果によると(厚生労働省「若年性認知症の実態等に関する調査結果の概要及び厚生労働省の若年性認知症対策について」)、全国で3万7,800人が若年性認知症と推定されています。
高齢で発症する認知症の場合は女性の割合が多いのに対し、若年性認知症の場合は男性の発症の割合が高くなります。
認知症予防はどうすればいいのか
現時点では、認知症を確実に予防する方法はありません。
しかし、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病と、認知症との関連性を示す研究は多くあります。
適度な運動を生活の中に取り入れることや、バランスの取れた食生活を心がけて生活習慣病を予防することが、認知症の予防にもつながると考えられます。
認知症を予防するには、食事や運動、喫煙などの生活習慣を見直し、規則正しい生活を送ることのほかに、常に脳を活性化させることを心がけることも大切です。
予防を始める年齢の目安は40歳から
研究では脳の劣化は40代後半から始まるとされています。実際、もの忘れを自覚する人も40代後半が多く見られます。
また、認知症で最も多いアルツハイマー型認知症の原因物質は発症する20年ほど前から溜まるともいわれています。
そのため、40歳あたりから認知症の予防を始めることが大切です。
できるだけ早くから生活習慣を見直して、ストレスを溜めないように脳を刺激させるなど、早いうちから対策を取り認知症を防ぎます。
今から始める認知症にならないために
これまでに認知症は生活習慣との関係性が深いことが分かったと思います。
生活習慣を見直すためには、以下のことに気をつけましょう。
1.食生活
・栄養バランスのよい食事をとる。
・塩分をとりすぎない。
・動物性脂肪をとりすぎない。
・糖質をとりすぎない。
・よく噛んで食べる。
・カロリーのとりすぎをしない。
・DHA、EPAなどをとる。
・野菜、果物をしっかりとる。
2.運動習慣
・筋トレを30分以上、週3回以上行う。
・エレベーターではなく階段を使う。
・タクシーをなるべく使わない。
・歩く習慣をつける。
3.生活スタイル
・規則正しい生活をする。
・夜更かしはしない。
・禁煙する。
・過度な飲酒はしない。
おすすめの運動
ここからは初心者にも可能な運動を紹介します。
1.スクワット
体の筋肉のうち70%を占める脚の筋肉。
大きな筋肉を鍛えることで脳の活性化にも繋がります。
2.ブルガリアンスクワット
片足を椅子にかけ、片足づつ行います。
脚の筋肉だけでなく、体幹やバランス力も鍛えることができます。
まとめ
認知症を予防するには、食事や運動、喫煙などの生活習慣を見直し、規則正しい生活を送ることのほかに、常に脳を活性化させることを心がけることも大切です。
たとえば、ジムに行ってトレーニングをする。普段から歩く癖をつける。
また、旅行に出かけたり、友人との食事会などに参加したりなど、外出や他人とのコミュニケーションを行うことでも脳は活性化されます。
日常の暮らしの中に、心がわくわくするようなイベントを積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。