【ピラティスBodymake Lab ichi名古屋泉】ピラティスの正しい呼吸方とは?
はじめに
ピラティスではエクササイズの効果を高めるため、呼吸法が重要です。胸式呼吸に腹式呼吸を組み合わせた「ラテラル胸式呼吸」という呼吸法により、動きに合わせながら正しく呼吸することで、インナーマッスルの強化や集中力アップなどの効果につながるでしょう。
本記事では、ピラティスの正しい呼吸法や得られるメリットなどを解説します。
ピラティスの呼吸方とは

ピラティスのエクササイズは、呼吸法が重要です。動きに合わせた正しい呼吸を行うことで、エクササイズの効果を高めることにつながります。
ここでは、ピラティスの呼吸法を解説します。
胸式呼吸が基本
ピラティスのエクササイズは、胸式呼吸が基本です。より正しくは、胸式呼吸に腹式呼吸を組み合わせた「ラテラル胸式呼吸」という呼吸法です。
ラテラル胸式呼吸について説明する前に、胸式呼吸と腹式呼吸の違いをみてみましょう。

胸式呼吸は人が普段無意識に行っている呼吸であり、肋間筋を動かして胸を広げ、空気をとり込みます。
腹式呼吸は、意識して横隔膜を動かす呼吸法です。リラックス効果など、精神を安定させる効果があります。
ピラティスでは、胸式呼吸の肋骨を広げる動きと、腹式呼吸の横隔膜を動かす動きを組み合わせたラテラル胸式呼吸で行うことが一般的です。
ヨガの呼吸法との違い
ピラティスの呼吸法は、ヨガの呼吸法とは異なります。ピラティスは基本的に胸式呼吸ですが、ヨガの呼吸法は腹式呼吸です。
ヨガは主に心身の統一を目的に精神の安定に重点を置いているため、副交感神経の活性化を促す腹式呼吸で行っています。そのため、エクササイズも呼吸と瞑想を基本に、全身を使ったアーサナ(ポーズ)を行うことが多いのです。
これに対し、ピラティスはインナーマッスルを鍛えることが目的です。常に動き続けながらインナーマッスルの強化を目指します。胸で呼吸を行うラテラル呼吸により、おなかを引き締めた状態をキープしながら常に動き続けるエクササイズを行います。
ピラティスの呼吸を正しく行う方法

ピラティスのラテラル胸式呼吸を正しく行う手順は、次のとおりです。
姿勢を整える
肋骨の動きを確かめる
肋骨を広げるイメージで息を吸う
おなかの底から細く長く息を吐く
呼吸のタイミングを考える
手順に沿って意識的に行う必要があり、初心者は練習が必要になるでしょう。
呼吸のやり方について、手順に沿って解説します。
姿勢を整える
ピラティスでは、呼吸とともに姿勢も大切です。呼吸法をするときは、まず姿勢を整えましょう。
正しい姿勢は、次のとおりです。
背骨を伸ばす
骨盤をニュートラルに保つ
足の位置を正しく保つ
基本姿勢は、背骨をまっすぐに伸ばし、左右のバランスをとることです。頭頂部が天井に向かうよう、首を長く保ちます。肩の力を抜き、肩甲骨を寄せて胸を開きましょう。猫背や頭が前に出ている状態では、横隔膜が動きにくく、肺に入る空気が十分に入りません。頭の位置がまっすぐになるよう、姿勢を整えましょう。
骨盤を前後に傾けず、立って行うときは足を腰幅に開き、つま先を前に向けてください。足の裏には体重を均等にかけるようにして、安定した姿勢を保ちます。
肋骨の動きを確かめる
胸式呼吸は肋骨を上下させるため、効率的に呼吸できるよう、肋骨の動きを確かめることが大切です。胸の下の肋骨に手を置いて、動きを感じながら行いましょう。手を置くことで呼吸に合わせて肋骨が動くのがわかり、肋骨を動かす感覚が身につきます。
肋骨の動きを確かめるときは、肩の力を抜き、自然に下げた状態にしましょう。息を吸うときに胸が左右と後方に広がるのを感じることで、肺が効率的に膨らみ、酸素を多く取り込めます。
特に背中側の肋骨が広がる感覚を意識することで、背中の筋肉がしっかりと働き、体幹の安定につながるでしょう。
肋骨を広げるイメージで息を吸う
胸式呼吸はおなかを意識し、引き締めながら行います。息を吸うときも吐くときも、おなかが膨らまないよう注意することが大切です。最初は手をおなかに置いて、膨らまないように意識しながら行うとよいでしょう。
息を吸うときは、肋骨を広げるイメージで鼻から深く吸い込むことが大切です。前後左右に広げるように吸うと、ゆっくりと胸が広がるのを感じます。
おなかの底から細く長く息を吐く
息を吐くときは、口から行います。広がった肋骨が元に戻るイメージで、細く長く、胸に溜めた空気をすべて吐き切りましょう。
力は入れずに、吸い込んだ時間よりも長い時間をかけてゆっくりと吐き出します。ゆっくりと吐くことで、心拍数が落ち着いてくるでしょう。胸が自然と小さくなり、横隔膜が上がるのを感じます。横隔膜の役割は、息を吐くときに上がり、胸を収縮させる役割をして、肺から空気を効率的に吐き出すことです。
呼吸のタイミングを考える
ピラティスの呼吸法は、タイミングが大切です。基本的に身体を曲げるときに息を吐き、反らす・伸びる動きをするときに息を吸います。
しっかり息を吐くときにはおなかの筋肉が働いて背骨は丸まり、息を吸うときは横隔膜が働き、腰椎が反って背骨が上に伸びるように動きます。エクササイズ中は呼吸を止めず、動きと呼吸を連動させるようにしましょう。
ピラティスの呼吸により期待されるメリット

正しい呼吸法を行うことで、インナーマッスルが鍛えられ、心肺機能を高めるなどの効果が期待できるでしょう。
ここでは、ピラティスの呼吸法で期待できるメリットを紹介します。
インナーマッスルが鍛えられる
ピラティスの呼吸法では、おなかを引き締めた状態をキープしながら意識して横隔膜を動かすため、インナーマッスルを鍛える効果が期待できます。
インナーマッスルとは、体の深い部分にある筋肉の総称です。関節の安定性を高め、身体のバランスを保つために欠かせない筋肉で、姿勢を保ち内臓の位置を安定させる役割があります。
インナーマッスルが強化されれば体の中心軸が安定し、手足の動きもスムーズになるでしょう。その結果、トレーニング効果を高める効果が期待できます。
心肺機能の高まりをサポート
正しい呼吸法により、心肺機能の向上につながります。横隔膜を広げて肋骨の中の空間を大きくするため、心臓のポンプ機能が促され、肺に多くの酸素を取り込めるようになるでしょう。
心肺機能が高まって多くの酸素が取り込まれれば、身体のすみずみまで酸素が行き届くことに。新陳代謝がアップすれば、リフレッシュ効果の高まりも期待できます。疲労も蓄積されにくくなるでしょう。
血液循環を促す
ピラティスの呼吸は胸や背中などさまざまな筋肉を動かす呼吸法であり、血流の改善が期待できます。そのため、体内の老廃物や有害物質の排出もスムーズになり、次のような悩みの解消にもつながるでしょう。
・手足の冷え
・肩こり
・むくみ
・肌のくすみ
体の疲れも溜まりにくくなり、毎日を活動的に過ごせる可能性も高まります。免疫機能の向上も期待できるため、病気をしにくい身体を目指せるでしょう。
集中力がアップに導く
ピラティスの呼吸法では、集中力を高める効果も期待できます。集中したいときに集中できないのは、脳が疲労して思考力が低下することが原因のひとつです。
ピラティスの呼吸法では交感神経が優位になるため、脳が興奮状態になって活性化します。その結果、集中力アップにつながり、仕事や勉強にも良い影響を与えるでしょう。